力をより一点に集中し、揉みの精度高める方法として、
重ね拇指で揉む方法があります。
重ね拇指を上手に使えるようになると、奥深く指が入った状態で、更に揉む動作を行えるようになります。治療家なら全員が使っているはずの重ね拇指ですが、間違っている人があまりに多いのです。
親指を重ねる場所を間違えているのです。
重ねる場所を間違えると、当たりがキツくなり、痛みを与えてしまうことになり、当然深く入った状態で、更に揉むことも不可能になります。
それどころか、自分の親指を壊してしまう人さえいるのです。揉みの技術を高める上で必要不可欠になってくるのが、この重ね拇指の技術なのです。
ポイントは、絶対に下の拇指の爪の上や、末節骨の上で重ねないことです。
必ず、拇指IPのちょい上の基節骨側で重ねることなのです。
悪い例である、爪の上や末節骨で親指が重なる人は、拇指IPが完全に伸展しているため、そこにくぼみが出来て自然にそこで重なってしまうのです。
IP関節の重要性は以前のブログで紹介しましたが、重ね拇指の揉み方においても重要になってくるのです。
拇指IPを軽度に屈曲した状態で重ねなければ、基節骨側に親指を重ねずらくなるのです。また、拇指IPが完全に伸展した状態だと、当たりの調整も出来なくなってしまいます。IPが動けない状態を作りだしているのです。
腰を揉んだときには痛がらなかったのに、背中やふくらはぎでは「痛いっ!」と言われるというような事が起きてしまいます。
拇指IPを完全に伸展した状態で揉むと、親指のはらではなく、IP関節の掌側面の骨で押してしまう人も少なくありません。そうなってしまうと、お客様の感覚を無視するような揉みになってしまい、痛いと言われると、力を緩めて調節することになり、到底深い筋肉にアプローチできなくなるのです。
ほぐれる感覚すらわからないでいる施術者の多くは、重ね拇指が原因にもなっているのです。IP関節を屈曲から伸展に微調整することで、最適な当たりを見つけ出し、痛みなく奥深い筋肉までアプローチし、奥に入ったままもうひと揉み出来る事が理想です。
コツとしては、一気に重ねた両拇指に力を入れず、まず下になった拇指単独で筋肉に入ってゆき、良い当たりを確保してから、上の拇指で力を追ってゆく感じです。
これが重ね拇指の正しい使い方です。
あとあと、深い筋肉だけではなく、背骨のゆがみ矯正にも必要になってきます。
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