急性の症状が1回で取れる!
そんな広告やホームページをよく目にします。
ひとまとめで急性と言ってもその程度は、千差万別。
ただ一つ言えることは、本当に重症な急性は、手の付けようがないということです。
1回で必ず取れるみたいな事を言っている治療家がいるとするなら、あまりにも経験値が低いとしか言いようがありません。
本当の断裂した最長筋のギックリ腰を診たことがありますか?
一歩も動けません。トイレも行けません。
絶対に触って欲しいなどとも思いません。
本当の石灰沈着性腱板炎の沈着真っ最中を診たことがありますか?
激痛です。
触れば触るほど、痛みは増幅し、遠隔なんて治療も何も効きません。
本当の神経を傷つけた頚椎症性神経根症を診たことがありますか?
首は少しの動かす角度で、腕に激痛、常に襲ううずき、その興奮は、投薬でも止まらない。
今まで診てきた総数が多ければ多いほど、本当の重症と出会う機会も増えます。ですが、こんなひどい重症を見る必要なんてないのです。
手を付ければ付けるほど、何か施そうとすればするほど、必ず悪化します。
できるとするなら、点滴の投薬、経口からの投薬、強固なコルセットそれらを処方できる医者なのです。
私たちは、そんな急性症状に重きを置くべきではないのです。
私達が重きを置き、強く目指すべき疾患は、
・急性とも思えるが、蓄積がわかるもの
・急性とも思えるが、筋肉だけで取れるもの
・急性とも思えるが、骨格が起因しているもの
・いかにも慢性で以前から痛いもの
・いかにも慢性で動かない方向があるもの
・いかにも慢性で神経の圧迫している
・原因が明らかなもの
これらの疾患なのです。そこで、大事になってくるのが、
・急性とも思えるが急性ではないと診断できるか
・いかにも慢性でと思うものに、急性がないか診断できるか
なのです。
つまり、慢性と思っていて施術したが、急性疾患で悪化してしまうとか、
急性だと思って、施術したが、慢性疾患だったので一向に良くならない
このような事が起こらないための見立てが必要になるのです。迷わない施術を行う上で、とても必要になります。
原因が特にないからと言って、急性ではないとは限らないですし、原因があるからと言って、ずしも急性ではないのです。
それらを問診、触診、検査、経験から、普通に施術しちゃっていいのかを常に導く必要があるのです。
重きを慢性疾患に置きつつ、
急性のように見えて急性ではないものを選別しつつ、
本当の強い急性は、施術しない勇気と転医させる勇気を持ちつつ、
本当に必要とされる筋肉、関節、背骨、骨盤を施術することが、求められています。
もちろん、柔道整復師としてではなく、整体師としての見解です。
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