私は、学生時代を含め7年間下積み生活を送りました。
その後、一切の責任を負う雇われ院長として5年弱。合わせて、約12年間の下積みをして開業しています。
12年間すべてが勉強でしたが、圧倒的に数で勉強になったのが北海道帯広市での3年間です。そこは、まさにマンモス整骨院で、一日の来患数が130人~140人来るところでした。
ひたすら患者さんに接し、様々な症状を診ることが出来ました。今になって、大事だったんだな~と思ったことがあります。
1、自分のキャパを広げれたこと
2、担当制ではなかったので、様々な症状を診られたこと
3、数多く診たので、間違った見立ての確率を限りなく減ったこと
4、正しい見立てができるようになること
5、自分の手に負える患者であるかどうか判断すること
6、正常ではない骨格をたくさん診たこと
7、どんな良い機械でも、手技には劣ると言うこと
8、痛みの種類を数多く知ったこと
中でも、自分の技量で手に負えるか負えないかの判断は、一番重要ではないかと思います。
大丈夫です。治りますよ~と言いたいのは解りますが、セミナーで治ると言っていたから、多分、治るだろう的に治療をしてはいけないのです。
最終的には、症状が進行してその患者さんを不幸にしてしまうことに成りかねないのです。どんな良い技術セミナーに行っても、その人の経験までは丸写しできないのです。
だから、私は思うのです。
疲れてもいい、
クタクタになってもいい、
体がぼろぼろになってもいい、
安くてもいい、
無料でもいい、
へりくだってもいい、
ごまを擦ってでもいい、
嫌いな患者でもいい、
治す気のない患者でもいい、
なめている患者でもいい、
親族でもいい、
友達でもいい、
彼女でもいい、
治る見込みのない患者でもいい、
治せる自信がない患者でもいい、
担当のスタッフが休みでたまたま診た患者でもいい、
院長が嫌いだからと振ってきた患者でもいい、
まずは、自分の体を犠牲にして、疲れ果てるくらいに患者を増やして、経験を積むことが一番大切なことだと思います。
それがどんな経験であっても、必ず根本治療の未来へと繋がるからです。
その時に治らなくてもいいのです。
治せなかったことがあればあるほど、未来の濃い治療家になるための糧になります。
数多く患者をこなしてこなかった治療家には、治せなかった体験談も少ないはずです。
多ければ多いほど、その時に考えるきっかけを与えてくれているのです。
でも余りに楽観的にはならないで下さい。
多分治ったからもう来ないんだなとか、忙しい人だから来られないんだなとか、主訴は取れていたから、もう一つ症状は大した事なかったんだなとか。
毎月、毎月失った患者のカルテをみて睨みっこして下さい。
そして、もしも次に来てくれたら、ああしよう、こうしようと反省して下さい。
決して、あなたに取っては、完治ではなかったはずですから。
そういつも反省し考えていれば、失ったその人は来なくても、似たような症状の患者がまた現れます。
それが、リベンジの時なのです。
その繰り返しが、あなたを最高の治療家へと導きます。
もう一つだけ、必ずやって欲しいことがあります。
それは、骨を触り続けることです。
100%筋肉だけの人でも、肉離れの人でも、捻挫の人でも骨盤、頸椎、胸椎、腰椎、これだけは触り続けて下さい。
やがて、正常とそうでないものの区別を一瞬にして解るようになります。頭ではなく、手が覚えてくれるくらい触りまくって下さい。
決して自分の治療の限界を作らず、でも、保存的治療の限界を知る。大事なことです。
これらが、下積みの大切さだと思います。
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